電子添文と虫めがね、注入器とカレンダーを並べたイラスト

ゼップバウンド(チルゼパチド)を、電子添文とガイドラインで調べる

ゼップバウンドは、チルゼパチドという成分の注射薬です。日本では、肥満症と、一部の睡眠時無呼吸症候群の治療に使います。このサイトは、薬の公式文書(電子添文)と厚生労働省のガイドラインを読み、知りたいことごとにページを分けて説明します。

まず知っておきたい3つ
  1. 週に1回、自分で打つ注射です。1回で使い切る注入器(アテオス)で、おなかなどの皮膚の下に打ちます。日本で認められている形はこの注入器だけです。
  2. 体重が多いだけでは対象になりません。「肥満症」と診断され、高血圧などの病気があり、食事と運動の治療で足りなかった人に限られます。保険で使うには、通う医療機関の側にも条件があります。
  3. 美容やダイエットのためには使いません。国のガイドラインは、対象の肥満症以外で、痩身やダイエットを目的に投与してはならないと定めています。

ゼップバウンドの基本

成分チルゼパチド。体の中の2つの受け口(GIP受容体とGLP-1受容体)の両方に働きます。
働き方脳に働いて食欲を調えます。脂肪の細胞にも働いて、脂質などの使われ方を高めると考えられています。
使う病気条件を満たす肥満症。BMI27以上で中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群。
使い方週1回の皮下注射。少ない量から始め、4週間ずつ間をあけて量を上げます。
手に入れ方医師の処方が要る薬(処方箋医薬品)です。
承認と発売肥満症の薬として2024年12月27日に承認され、2025年4月11日に発売されました。

同じ成分の薬に、2型糖尿病の治療に使うマンジャロがあります。成分は同じでも、使う病気と保険の決まりは別々です。2つの薬の違いはマンジャロとの違いで扱います。

よく調べられる6つの疑問に、短く答える

知りたいこと短い答えくわしく
保険で使える?高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のどれかがあり、BMI35以上(またはBMI27以上で健康障害が2つ以上)で、6か月以上の食事と運動の治療でも足りない人が、条件を満たす医療機関で受けた場合です。保険で使える人の条件
値段は?国が決めた薬価は、1キット(1回分)で2.5mgが3,067円、15mgが11,242円です(2026年11月1日適用の一覧)。自由診療の値段は医療機関が決めるので、別です。薬価と供給の状況
副作用は?吐き気・下痢・便秘などおなかの症状と、注射した所の反応が「5%以上」の区分です。重い副作用に、急性膵炎、イレウス、低血糖などがあります。副作用と受診の目安
どの病院で処方してもらえる?診療科、常勤の専門医、学会の教育研修施設、管理栄養士などの条件があります。このサイトは病院名を載せません。確かめ方を説明しています。処方できる医療機関の条件
ダイエット目的でも使える?使えません。国のガイドラインは、対象の肥満症以外で、痩身やダイエットを目的に投与してはならないとしています。個人輸入・海外通販の危険
やめたらどうなる?肥満症で使える期間は最大72週です。海外の試験では、やめた後に体重が戻る傾向が見られました。72週の区切りと、やめた後

調べたいことから選ぶ

使える人と、通う先の条件

使い方と、体に出ること

ほかの薬との違い・お金・入手

承認からの主なできごと

時期何があったか
2024年12月27日肥満症の薬として承認
2025年3月19日国の薬の値段の表(薬価基準)に載り、保険で使える薬になった
2025年4月11日発売
2026年5月18日使う病気に、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群と、耐糖能障害が加わった。肥満症のガイドラインも改訂され、心理面の支えに気を配る一文が入った
2026年6月16日厚生労働省が、美容や痩身を目的にした使い方について医療機関に注意を求める通知を出した。肥満症の薬として承認された薬も対象に含まれる
2026年9月電子添文が第6版に改訂。目の神経の病気(NAION)の報告についての記載が加わった
2026年10月3日日本肥満学会が「安全な減量に関するステートメント」を公表した。過度な食事制限とあわせて使うと、ケトーシスという体の異常が起こりうるとして注意を呼びかけた
2026年10月14日厚生労働省が、2026年6月16日の通知を改めて医療機関などに知らせるよう求める通知を出した。上の学会のステートメントを踏まえたもの

耐糖能障害が加わっても、保険で使える範囲は広がっていない点に注意が要ります。くわしくは保険で使える人の条件にあります。

このサイトの読み方

各ページの最後に、編集部が原文を開いて読んだ資料の名前と、確かめた日を載せています。医療機関の紹介や、薬どうしの順位づけはしていません。広告料や紹介料も受け取っていません。決まりの全体は編集部と方針をご覧ください。

よく出る疑問

ゼップバウンドとマンジャロは同じ薬ですか?

成分は同じチルゼパチドです。ただし、承認された病気が違います。ゼップバウンドは肥満症などの薬、マンジャロは2型糖尿病の薬です。電子添文は、2つを一緒に使わないよう求めています。

痩せたいだけでも処方してもらえますか?

対象になりません。ガイドラインは、治療の対象の肥満症以外で、痩身やダイエットを目的に投与してはならないとしています。対象の人の条件は保険で使える人の条件で説明しています。

ゼップバウンドの値段はいくらですか?

国が決めた薬価は、1キット(1回分)で2.5mgが3,067円、5mgが5,797円、7.5mgが7,721円、10mgが8,999円、12.5mgが10,180円、15mgが11,242円です。実際に払う額は、保険かどうか、窓口の負担割合、診察や指導の費用で変わります。くわしくは薬価と供給の状況にあります。

ゼップバウンドは手に入りにくいですか?

厚生労働省の供給状況の一覧(2026年10月30日現在)では、6つの量すべてが「通常出荷」です。出荷の状況は変わることがあります。

飲み薬の形はありますか?

日本で承認されているのは、注射の形(アテオス)だけです。2.5mgから15mgまで、6つの量の注入器があります。どれも1回で使い切ります。

出典(編集部が原文を読んだ資料)
  1. ゼップバウンド皮下注アテオス 電子添文(2026年9月改訂・第6版)PMDA(2026年10月31日に確認)
  2. 最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(ゼップバウンド皮下注)~肥満症~(令和7年3月・令和8年5月改訂)厚生労働省(2026年10月31日に確認)
  3. 日本肥満学会「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」(2023年11月25日策定・2025年4月10日改訂)(2026年10月31日に確認)
  4. 日本肥満学会「安全な減量に関するステートメント―インクレチン関連薬を用いた減量によるケトーシス関連事象の注意喚起―」(2026年10月3日)(2026年10月31日に確認)
  5. PMDA 審査報告書 ゼップバウンド皮下注アテオス(2024年12月27日承認分)(2026年10月1日に確認)
  6. 日本イーライリリー・田辺三菱製薬 共同プレスリリース(2025年3月19日)(2026年10月1日に確認)
  7. 厚生労働省 通知「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について」(2026年6月16日)(2026年10月31日に確認)
  8. 厚生労働省 通知「『GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について』の再周知について」(2026年10月14日)(2026年10月31日に確認)